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節税とリベート~表に出せないリベートの対処法

2021年06月30日

節税ブログ その79

●節税とリベート~表に出せないリベートの対処法

 

表に出せないリベートを要求された場合

 

リベートとは、謝礼名目で授受される金銭のことで、売上割戻(わりもどし)、仕入割戻、キックバックなどと呼ばれるものです。

 

たとえば、売上戻しは通常単価1万円のところ、100個以上買ってくれた場合に、1個8千円に値引きしますといった契約があって、150個買ってくれたお客様に現金で30万円渡したり、その分請求金額を割り引いたりする方法がとられます。

 

もちろんこの金額は、税務上も、必要経費に計上するか、売上高から控除することが認められます。

 

では、得意先の、たとえば営業部長などから個人的にキックバックを申し込まれた場合はどうでしょうか。

 

社長の会社が1千万円の工事を受注しました。その時に営業部長から

 

「うちには1千2百万円で請求してくれ。金はその通りに払うから、後で自分に2百万円払ってくれないか」

 

などと持ちかけられた場合です。

 

税務上のふたつの規定

 

もともと1千万円で儲けが出る工事であれば、よけいに入ってきた2百万円はそのまま右から左に移すだけですから、社長の会社にとって何の損もありません。

 

税務上も

 

「得意先、仕入先等の従業員等に対して取引の謝礼等として支出する金品の費用は交際費等の金額に含まれる」と規定されています。

(租置法関係通達61の4(1)の(9))

 

ですから、中小企業で年間8百万円以内の支出であれば交際費としての処理が可能です。

 

しかし、問題はそのような支払は

 

相手側の名前を明らかにするわけにいかない

 

という点です。

 

この様な支払については税務上

 

1)費途不明の交際費等(法人税法基本通達9-7-20)

2)使途秘匿金(租税特別措置法62条)

 

という2つの規定が存在します。一見すると何か似かよった規定に見えますね。

 

先ず、1)の費途不明の交際費等ですが、「費途」とは金銭等の使いみちを意味します。

 

その金銭等の使いみちが不明の交際費、機密費、接待費等は費用に認めない-という規定です。

 

先ほどの例でいうと、2百万円を交際費に計上していても、税務調査で「支払った先が書いてありませんが、どなたですか?」と聞かれても正直に答えられないわけですから当然、費用には認めらないこととなります。

 

問題はそれだけではありません。

 

支払先が明らかにできない時の反面調査と対処法

 

税務署はリベートを受け取った会社側の追求も行おうとします。これを「反面調査」といいますが、200万円の支払先が不明であっても、その直近で1千2百万円の入金があり、あいだをおかずに200万円の支払が行われていれば、支払先はその工事をくれた法人若しくは法人の役員か従業員のいずれかと察しはつきやすい筈です。

 

もちろん、社長としては受け取った側を追求されることは何としても避けたいですから、その時は、2百万は自分自身に対する「役員賞与」である旨を主張します。

 

そうすると、自分自身が受取った賞与を個人的に支出したわけですから、受け取った側を追及されることはなくなります。

 

しかし、役員賞与であるがゆえに

 

・会社の費用に認められず

・個人が受け取った役員賞与は源泉所得税の対象になり

・消費税の課税入れにも該当しない

 

というトリプル課税を受けることになります。

 

役員賞与が会社の費用に認められない一方で、受け取った役員賞与は源泉所得税の対象になるのは一見、不合理に感じられるかもしれませんが、会社の経費に認められないのは法人税上、経費性が否定されるだけの話であって、個人が賞与という利益を得たことは間違いないわけですから、そこは所得税として課税しますよ―というのが税務のスタンスです。

 

税務署の追求は受けたくないが、何とか経費として処理したいといことであれば、月々の役員報酬に一定額を上乗せで払うという方法をとらざるを得ません。

 

役員報酬であれば、個人の税負担等は増えますが、会社の経費には落ちます。ただし、この方法は、実際には表に出せない取引が会社で常態化している場合に限られます。

 

費途不明金と使途秘匿金の大きな違い

 

最後に、2)の使途秘匿金について。

 

使途秘匿金の「使途」とは、支途とも書きますが、金銭や物品などの使い道、支出した目的のことを指します。「費途」と同じような意味合いですが、費途不明金は使いみちが分らないものであるのに対し、こちらは「使途」を「秘匿」するわけですから、相手先名、住所、内容等を隠して、一切表に出さない支出ということになります。

 

使途秘匿金は費用に認められないことに加えて、支払った使途秘匿金の40%を通常の法人税にプラスして納付しなければいけません。ここが費途不明金と大きく異なる点です。

 

支払った額の40%ですから、会社が赤字でも納税が発生するということです

 

経営上、どうしても表に出せない費用の支払いが避けられない場合は、それによるメリット、デメリットを十分検討して、会社にとって最善の方法を選択してください。

 

リベートについて詳しくお聞きになりたいと思われたら

「生涯」税金コンサルタント

さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足

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