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節税と利益配当~利益配当で社長にお金を残す方法

2024年05月26日

節税ブログ その119

●節税と利益配当~利益配当で社長にお金を残す方法

 

■利益配当ってナニ?

 

利益配当というコトバは時々聞くけど、詳しい中身はよくわからないという方は多いと思います。

 

実際、中小企業では利益配当が行われることはほとんどありませんから、それも仕方がないことかも知れませんね。

 

しかし、実はこの利益配当を使ってより多くの現金を社長個人に残す方法があるのです。

 

今日はそのお話をしようと思いますが、その前にそもそも利益配当とは何かについて、ザックリとお話をしたいと思います。

 

配当を多くしたいなら法人税も増えてしまう

 

先ず、会社は売上から仕入れや人件費、その他の経費を引いて利益が計算されます。これを税引き前利益といいます。

 

そして、この税引き前利益に税率をかけて会社の税金である法人税等が計算されます。率は税引き前利益のおおむね30%です。

 

さて、税引き前利益から法人税等を引いた残りが税引き後利益ですが、これを株主に配ることを利益配当というわけです。

 

で、この利益配当を多くしようとすると、毎月の役員報酬を少なくするなどして税引き前利益を多くする必要があります。ということは法人税等の負担はそれだけ大きくなります。

 

だから、中小企業ではこういうこともあって利益配当をほとんど行わないわけです。

 

だったら、その分役員報酬をよけいに出した方が得だ

 

というわけですね。しかし・・・

 

役員報酬を少なくして配当に回す金額を大きくすると・・・

 

・役員報酬を少なくすることで社会保険料を安くすることができます。

・また、利益配当には社会保険料がかかりません。

・さらに、受け取った配当金は配当所得として個人所得税の対象となりますが、配当控除という制度を使って個人の税金を安くすることができます。

 

具体例で見てみましょう。

 

会社の利益が役員報酬を支払う前で年間800万円あったとします。

 

この場合、支出可能な役員報酬の最高額は800万円ではなく695万円です。なぜなら、社会保険料の負担が106万円あるからです。そうするとふたつの合計は801万円となって会社はわずかながら赤字となります。

 

会社の利益 800万円

役員報酬  695万円

社会保険料 106万円

法人税等   7万円

 

一方、社長に残る現金は税金66万円と社会保険料106万円を引いた523万円、さらに会社は赤字ですから、地方税の均等割り7万円も社長が負担することとなって社長に残る現金は515万円となります。

 

社会保険料と配当控除の利用

 

では、役員報酬をおさえて会社利益を大きくし、法人税等を払った後の利益を全て配当として社長に払った場合はどうなるでしょうか。

 

ここでは社長の報酬を月額5万円、奥さんの報酬を月額10万円、ふたりで年間180万円とします。そうすると

 

・個人が負担する社会保険料は106万円から13万円まで減少します。差額は93万円です。

・一方で、会社が負担する法人税は149万円と大幅に増加しますが、社長は配当金を457万円受け取れます。

・そのうえで、個人が負担する税金(所得税と住民税)は配当控除があるので、役員報酬を限度額いっぱいもらった場合の66万円から36万円減って30万円になります。

 

この結果、利益配当をした場合の社長に残る現金残高は594万円となり、役員報酬を目いっぱいもらった時の現金残高515万円に比べて79万円増えることとなります。

 

どうですか。利益配当も要は使い方次第なのです。もちろん、どんな場合でも利益配当の方が有利というわけではありません。会社の利益次第、株主の状況次第なのです。

 

社長もご自分の会社でどうなるのか、一度、検討してみられてはいかがでしょうか。

 

利益配当についてじっくりと話を聞いてみたいと思われたら 

「生涯」税金コンサルタント

さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足

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