先ずは、課税事業者としての「登録」からスタート!
2021年07月17日消費税改正ブログ その2
●先ずは、課税事業者としての「登録」からスタート!
■課税事業者として「登録」をしないとどうなるのか
令和5年10月1日から改正後の消費税がスタートすると、請求書には必ず「登録番号」を記載しておく必要があります。その登録番号がないと
・請求書を受け取った事業者は、せっかく支払った仕入代金等を「課税仕入れ」に計上することができなくなる。
・そうなると、社長の会社や個人事業主であるあなたが、これまでの取引先から取引を打ち切られる可能性がでてくる。
というわけです。
しかも、登録業者となるための期限は限られています。
令和3年10月1日から令和5年3月31日までの1年半がその期間です。
今すでに消費税の課税事業者である場合はもちろん、免税事業者であっても、その1年半に登録事業者になっていないと、同じ様に取引先から取引を断られる可能性が出てくるというわけです。
■「登録」の方法はこうする
登録のための申請書は、正式には
適格請求書発行事業者の登録申請書
という長たらしいタイトルがついていますが、基本的には
・税務署名
・会社や事業所の住所
・会社名と代表者名(個人事業者の場合は個人名)
の3つを書いて、後は課税事業者か免税事業者かを選択するだけです。
提出先は法人や事業者の所轄の税務署です。
申請書とはなっていますが、特にややこしい審査があるわけではなく、よほどのことがない限り、申請はそのまま通ります。
審査が通れば、登録番号の記載がある「登録通知書」が書面で申請者に交付されます。
登録番号は
「T」+13桁の数字
で構成され、この番号を令和5年10月1日以降に提出する請求書に記載することになります。
問題は
では、免税事業者はどうしたらいいか?
ということです。
■免税事業者の判断はむずかしい?
登録事業者になれるのは、課税事業者のみです。ということは、免税事業者はそのままでは登録番号をもらうことができません。
登録番号をもらえないということは、お客様に出す請求書に登録番号を記載できないということです
ということは、お客様はその請求書をもらっても課税仕入れに計上できない、つまり、お客様の納める消費税が今までより増えてしまう―ということを意味します。
ここが免税事業者の頭の痛いところです。
・登録番号を取らなければ、免税事業者のままだから、消費税は納めなくていいが、これまでの取引先からは取引を打ち切られる可能性がある。
・登録業者になれば、これまでの取引関係は維持することができるが、登録業者になったことで、売上の多い少ないにかかわらず、消費税を納める義務が発生する
ということです。
でも、消費税を納めるのは痛いが、取引自体を打ち切られてはもともこもないから、登録業者になる選択をしたとします。その場合、免税業者が登録番号をもらうためには何をすればいいのでしょうか。
■免税業者には経過措置の適用がある
原則的には、免税事業者はいったん課税事業者になる手続きを行って、それから次に登録番号をもらう手続きをしなければいけません。
つまり、本来2段階の手続きが必要だということです。
しかし、免税事業者が令和5年 10 月1日の属する課税期間中に登録を受けることとなった場合には、登録を受けた日から課税事業者となれるという経過措置が設けられました。
つまり、登録番号をもらうための手続きひとつで、消費税の課税事業者となる手続も済んでしまうというわけです。
ですから、手続き自体は簡素化されました。
しかし、最初の問題はそのまま残っています。
・登録業者となった時-つまり、消費税の課税業者となった時の消費税の額はおおよそいくらになるのか?
・取引を打ち切られてしまう可能性はどのくらいなのか?
改正までまだ時間はあるとはいうものの、そういった予想や試算には一定の時間がかかります。
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