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節税と自宅事務所~住宅ローン控除がある場合の注意点

2020年01月29日

節税ブログ その51

●節税と自宅事務所~住宅ローン控除がある場合の注意点

 

自宅兼事務所で気をつけるべき住宅ローン控除の取り扱い

 

事業をスタートさせたばかりの時は、予算の関係もあって、自宅と事務所を兼用とすることがよくあります。

 

自宅が賃貸であれば、家賃や水道光熱費の一部を面積按分などで事業経費にすることが認められます。

 

持ち家の場合も固定資産税や火災保険料などを同じように面積按分などで経費にすることが認められます。

 

では、その持ち家について住宅ローン控除を受けている場合はどうでしょうか?

 

住宅ローン控除というのは銀行などからお金を借りて自宅を購入した場合、一定条件のもと、年末の銀行借入金残高の1%に相当する金額だけ所得税を安くしてもらえる制度です。

 

たとえば、年末の銀行借入残高が3,000万円あれば、その1%である30万円を本来支払うべき税額から引いてもらえます。

 

ただし、対象となるのは居住用部分に係る借入金残高のみです。

 

事業用部分がある場合の税額控除額の計算方法

 

自宅の全体の面積が100㎡で、そのうち居住用が70㎡、残り30㎡が事業用とすると

計算の対象となる借入金残高は、先ほどの例で

 

3,000万円×70㎡÷100㎡=2,100万円

 

となり、控除額は

 

2,100万円×1%=21万円

 

となりますから、差額9万円は税額対象の対象とはなりません。

 

もちろん、30㎡部分は事業用ですから、こちらにかかる費用は事業経費にはなります。

 

しかし、税金を9万円安くしようとすると、税率20%として、事業割合は10分の3ですから、逆算すると、自宅に係る経費が150万円必要だということになります。

 

150万円×3/10×20%=9万円

 

いかに、税額控除の効果が大きいかがよくお分かりいただけると思います。

 

「じゃあ、自宅のうち30%は実際に事業に使っているけど、100%居住用した方が有利だから、事業用には使っていないことにすればいいんじゃない」

 

と思われるかもしれませんが、それは認められません。

 

事業用に係る支出を経費に入れるかどうかは、納税者の任意ですが、借入金残高のうち事業用に係る部分を外して住宅ローン控除の計算をするのは法律で定められた規定で、こちらは納税者が自由に選んでよいという話ではありません。

 

事業用部分が10%以下の場合は

 

ところで、同じ自宅兼事務所であっても、事務所部分が10%以下で、ほとんどの部分が居住用である場合は、先ほどの按分計算を行わずに借入金の総額に1%を乗じた金額で税額控除を受けることができます。

 

法律の規定は

 

居住用の面積が全体のおおむね90%以上に相当するときは、全体が居住用に供されているものとしてこの規定を適用することができる

 

という書き方になっています。

 

おおむね90%以上ですから、正確には90%を切る場合でも、認められるということです。

 

ただし、ネットの情報などを見ると、事業割合を10%以下にすれば、住宅ローン控除は100%受けられるといった書きぶりになっているものが時々、見られます。

 

読み方によっては、事業割合がたとえば30%あっても、必要経費算入割合を10%以下に押さえて、住宅ローン控除の方を100%受けた方が有利といった意味にとらえられかねない書き方にも見ることができます。

 

しかし、これも実際の事業用部分が10%以下であれば、実質的に全体を居住用に使っているとみなしてもそれほど大きな影響はないだろうから、そこまではきびしく見ることはありませんよという趣旨で設けられた規定です。

 

その点を誤解されないように、よくよく注意していただきたいと思います。

 

事務所兼自宅の経費算入や住宅ローン控除について詳しく聞いてみたい・・・と思われたら

「生涯」税金コンサルタント

さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足

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