節税と社会通念~グレーゾーンの判断基準
2018年12月08日節税ブログ その14
●節税と社会通念~グレーゾーンの判断基準
■ふたつの判断
ある経費を計上する際に注意しなければならないのは
・支出の内容
・支出した金額
のふたつが税務上の要件を満たしているかどうかということです。
たとえば、社長の親族に給与を支払おうという場合、内容でいえば
・その親族が本当に実在しているのかどうか
・その親族が実際に会社の業務に従事しているかどうか
ということが、先ずは問われるわけですが、実在していなければ架空経費、実際に会社の業務に従事していなければこれも架空経費ということになってしまいます。
でも、こちらの判断は比較的簡単です。むずかしいのは金額の判断の方です。
■むずかしい金額の判断
社長の奥さんに給料を払おうといった場合、じゃあ、いくらまでだったら経費として認めてもらえるのか?
仕事は会社の経理全般をしてもらっていますというときに、適正額は
・15万円なのか?
・30万円なのか?
・50万円なのか?
親族に対する給与については
その使用人の職務の内容、法人の収益や他の使用人に対する給与の支給状況等に照らし、その使用人の職務の対価として不相当に高額な部分の金額は費用に認めない
ということになっています。
なってはいますが、具体的な金額は税法にも、通達にも、何も書いてありません。
では、何を基準に決めたらいいのでしょうか?
■相手が第三者だったらいくら払いますか?
ここで登場するのが
社会通念
という概念です。簡単に言うと
常識の範囲
ということでしょうか。その支払った金額が社会通念上、適正なものであるかどうかが問われるわけですね。
先ほどの社長の奥さんに対する給与でいえば、私は、いつも社長に
同じ仕事に対して、相手が奥さんではなく第三者だったらいくら払いますか?
と聞くことにしています。
社会通念については、ある本の中でこういう説明がなされていました。
「この社会通念場という言葉は、国税用語と考えていただくといいと思います。わかりやすい言葉で言うと『ぜいたくをしているかどうか』というような基準があるのです。さらに突っ込んで言うと、国税の職員が『ぜいたくをしている』と思ったら、それはぜいたくになるのです」
(Facebookで節税する方法 税理士 正鬼晋太郎他共著 アスペクト 41頁)
みなさんは、どうお考えになりますか?
社会通念に照らして適正かどうか・・・とお悩みでしたら
「生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
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