節税と税理士~「節税に強い税理士」ってナンダ?
2023年07月29日節税ブログ その109
●節税と税理士~「節税に強い税理士」ってナンダ?
■検索結果から見えてくるもの
「節税に強い税理士」というキーワードで検索をかけると様々なサイトが出てきます。
・節税対策に強いおすすめの税理士
・節税対策に強い税理士一覧
・節税に強い税理士の選び方は?
これらは主に税理士紹介会社などが経営者の方々に向けて「節税に強い税理士」をアピールしているものですが、これとは別に、入力したキーワード と「関連性の高い検索」結果も出てきて、今回、気になったのは
・税理士 節税してくれない
・税理士 経費にしてくれない
のふたつでした。
つまり、経営者としては
税理士は税金の専門家だから、税金が安くなる方法も知っているだろう。だけど、うちの税理士はあまり節税の提案をしてくれない。また、経費について相談をしても、こちらの言い分をあまり聞いてくれない。
という不満があって、だからこそ、最初に書いた「節税に強い税理士」のアピールとなるのだと思います。では
節税に強い税理士
とは一体ナンダ?―というのが今日のテーマです。
■知っているか、知らないかの違い
節税に強い―というと、税理士も知らない 特別の“裏ワザ”の様なものがあって、それを使えば「税金をゼロにできますよ」的なイメージでとらえられる方がおられるかも知れませんね。
しかし、当然ながら、税金は法律にもとづいて課されるものですから、誰も知らない特別の方法といったものはそもそも存在のしようがありません。
とはいえ、個々のいわゆる「節税対策」については、それを知っている税理士、知らない税理士にわかれることも事実です。
ですから一般に、「節税に強い」というのは
節税に関する知識が十分にあって、かつ、その知識を使った対策を積極的に提案する税理士
ということになるのだろうと思います。
では、知識はあっても、「節税してくれない」税理士がいたとしたら、それは何故でしょうか?
■税理士の本来の仕事は・・・
税理士は税の専門家です。しかし、それは「税を安くする」ことの専門家ではなく、あくまで税法の規定に従って正しい申告書を作る専門家だということです。
つまり、我々税理士は本来的には「申告書作成業」なのです
ですから、税法上、正しい申告書を作ることが税理士の最終目的で、そのために、毎月〇日までに経理処理を終えて、〇ヶ月経ったら損益予想をしてといった目標をいくつかの立てるのですが、そこに「節税対策」が入り込む余裕はなかなかない―というのが「節税してくれない」ひとつの理由ではないかと思います。
また、「節税対策」を実行すれば、当然、税金が安くなるわけで、そうなると、税理士としては常に「税務調査」があることを想定しますから、やはりそこは調査官の目を引く様なことはなるべく避けたい-という心理が働くということも正直、否定できない事実だろうと思います
これは、税理士が経営者の申し出通りに「経費にしてくれない」ことにも通じる話だろうと思います。
■税理士の自己規制
経費はどこまでも認められるか―ということについて、元国税調査官の方がある本の中で次の様な話をされています。
「私が税務調査をやっていたときに、真っ先に思ったのは『この基準はこの税理士の基準なんだな』ということです。言い換えれば、『これは税理士が経費に入れないようにしているな』ということです」
(「Facebookで節税する方法」正鬼晋太郎他著 ㈱アスペクト 18頁より引用)
もちろん、これはすべての支払いが経費に認められてしかるべき―という話ではありません。実際問題、経営者の方が持ってきたものの中には「トンデモナイ」ものが含まれることは珍しくありません(笑)
また、常に「節税」が「善」であるとも限りません。場合によっては
税金を払ってお金を残す
という選択もあり得るからです。
ということで、「節税に強い」というのは、結局
節税に対する考え方をしっかりと持って、なおかつ、節税の提案に積極的
ということに他ならないと思います。
間違っても
他の税理士も知らない「裏技」をコッソリお教えします
といったことではありませんので、念のため。
節税に強い税理士ってナンダ?と思われたら
生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
にお問い合わせください。
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