節税とSNS~SNSの効果と影響は使い方次第?
2023年06月30日節税ブログ その108
●節税とSNS~SNSの効果と影響は使い方次第?
■SNSの利用はメリットとデメリットの両方がある
今は事業目的でのFacebookやユーチューブ、インスタグラムの使用はあたり前で、それらSNSの手段を使って売上を増やしたり、お店の知名度を上げたりといった例は枚挙にいとまがありません。
というわけで、今日は、税務の面から見たSNSを使うメリット、デメリットについてのお話です。
では、先ずはメリットの話から。
社長がいくら「これは事業目的で支出したものだ」と言っても、税務署がスンナリそれを事業経費に認めるかどうかビミョーなものから、「いや、先ずそれは調査官が否定してくるでしょうね」といったものまで様々あります。
たとえば、このブログでも過去に取り上げたことのある仕事用のスーツがそうです。
■SNSで経費化の証拠づくり
昭和49年に京都地裁が下した判決では、結局、スーツ代は事業経費として認められませんでした。しかし、裁判所の判断は、当然、その事案でどんな事実関係が争われたかよって違ってきますから、ひとつの判決だけで、すべてのスーツ代が経費には認められないと結論づける必要はありません。
個人的には以下の様な事情があれば、スーツ代も経費に認められてしかるべきだと思います。
・富裕層を相手にした商売で、ここぞという時は海外一流ブランドのスーツでビッシと決める必要がある
・普段は、作業服で仕事をしているが、営業でまわる先は一流企業ばかり。汚れた作業服でそんなところに行くわけにもいかず、営業用にスーツを購入した。
・仕事はセミナー講師で、受講者の前に出るときはいつも講師としてのブランド力を高めるような服装を心がけている
そのための証拠としてFacebookやユーチューブ、インスタグラムは大いに利用すべきです。
「Facebookで節税する方法」(アスペクト、正鬼晋太郎他著)という本の中(20ページ)に、そこに登場する実業家の方が高額のスーツ代を経費化することで会計事務所ともめた際に「フェイスブックでこういうこと(宣伝と集客目的)をやるのに必要なのだ」と主張して、会計事務所側に経費化を認めさせたというくだりがあります。
経費化は税務署が認めたという話ではありませんが、考え方としては経営者の方も多いに参考にすべき点があると思います。
さて、メリットの次はデメリットの話です。
■自慢話や“ええかっこしい”はケガのもと?
SNSを商売の宣伝や経費化の“証拠作り”ではなく、単なる自慢話、“ええかっこしい”で使う場合は注意が必要です。
たとえば、念願の高級車を手に入れた社長がFacebook上に
前から欲しかった○○○○○がようやくわが家に来ました!
なんて記事と写真をアップしたら、国税当局からチェックされている可能性があるということです。
高級車ではなくても
・ブランド物のバッグを買いました!
・ハワイ旅行に家族で行って来ました!
・銀座の高級寿司店で打ち上げしました!
なんていうのも要注意ですね。
実は、SNSの投稿は国税当局によってチェックの対象になっています
「税理士新聞」の記事(第1776号2023年6月25日号)に、国税出身のOB税理士さんの話として次のくだりがあります。
「金銭感覚や性格、プライベートなど、昔だったら現地へ足を運んで反面調査をしなければつかめなかったような情報がすぐに入手できる」
「新たな投稿があったときに知らせてくれる『自動巡回ソフト』を用いて継続的に監視することもある」
うかつな投稿は要注意ということですね。
■非公開アカウントも要注意!?
「じゃあ、非公開アカウントを使えばいいじゃないか」と思われるかも知れませんが、実はこれも完全に安心とはいかないようです。
2020年の国税不服審判所の採決では、非公開型SNSのLINEのやり取りが証拠として採用されたという事実があります。
前出のOB税理士さんによると、非公開のものを当局が入手した経緯は、調査時にたまたまパソコンかスマホを見せてしまったからではないかーとのことですが、違法な手段も「たまたま」だったら許されるというのも釈然としません。まさに油断大敵です。
いずれにしても、ちょっと自慢したい気持ちも分からないではないですが、そのために本業に多少とも影響が出てしまっては、元も子もありません。
SNSの利用はくれぐれもご注意くださいね。
SNSの利用について一度話を聞いてみたいと思われたら
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