節税と不動産投資の法人化~法人化は本当に有利か?
2021年12月29日節税ブログ その89
●節税と不動産投資の法人化~法人化は本当に有利か?
■法人化の検討はむずかしい
不動産投資に関しては
法人化した方が絶対有利!
といった解説をよく目にします。しかし、実際のところはどうでしょうか?
不動産投資の法人化は
検討すべきことが非常に多く、一概に法人化が絶対有利とはいえない
私は法人化の相談をお受けした時に最初にこのことをお話しします。
また、ネット上で目にする法人化のメリットに少なからず
ウソや誤解
があることも見逃せません。
■法人化で検討すべき項目
不動産投資の法人化について、結論めいたことを言うとしたら
投資規模が小さな場合は個人事業の方が有利なことが多いが、本格的に不動産投資を拡大していくつもりなら、法人化を検討すべき
ということになると思います。
法人化で検討すべき項目には
・個人所有の土地・建物をどう法人に移すのか?
・法人化することで節税はどこまで可能なのか?
・「所得の分散」は実際どこまで認められるのか?
・法人化で経理処理の方法や税務申告の内容はどう変わるのか?
・税金だけでなく社会保険料やその他の費用はどうなるのか?
など、ざっとあげただけでもこれだけのものがあります。
しかも、これらは、投資家、あるいは、これから投資家をめざす人それぞれがおかれた状況によって違ってきますから事は簡単ではありません
■検討すべき内容は個人のおかれた状況次第
たとえば、個人所有の土地・建物をどう法人に移すか、あるいは、どう管理するか―といった方法のひとつに
土地・建物ともに個人所有のままとし、法人は不動産の管理業務のみを行う
といった方法があります。
しかし、不動産の管理業務は、すでに手持ちの物件に第三者の管理会社が入っている場合は、新たに設立した自分の法人に対して、さらに管理料を支払うことは、かなりむずかしい話になってきます。
税務調査が入れば、個別、具体的にそれぞれの管理業務の内容を聞かれますから、その説明がしっかりとできなければ、単に、管理料は家賃収入の5%程度であれば認められる-といった、“一般論”はあっさり否定されてしまいます。
管理料については、先ずはパーセンテージありきの解説をよく目にしますが、中身についての細かな検討が先決であるにもかかわらず、そのことには一般にあまりふれられていないような気がします。
■節税効果も個別の事情で違ってくる
節税についても同じ様なことが言えます。
法人の場合は、社長に給与を払えるが、個人事業の場合は事業主に給与を払えないから法人の方が有利―といった解説をよく目にします。そのこと自体は基本的に間違いではありませんが、サラリーマン大家の場合は事情が違ってきます。
サラリーマン大家は、当然、自分が勤めている会社からも給与をもらっていますから、自分が設立した会社から給与をもらえば、税金は合算した給与所得に対してかかってきます。
そうすると、法人で給与を払えば個人事業に比べて節税できる―とは単純には言えなくなります。サラリーマン大家は一般に個人の属性で融資を引っぱりますから、“高給取り”であることが多いと思われますのでなおさらです。
しかし、この点も法人化有利説の解説では、あまり、目にしない気がします。
くり返しになりますが、不動産投資の法人化は検討すべき点が非常に多く、しかも、個人がおかれた状況によって有利、不利の判断が異なる場合が多くありますから、単純に
不動産投資は法人化した方が絶対有利
とはなりません。
個人事業で始めた不動産投資について
法人化を検討しようかな
と思われたら、ぜひ、税の専門家である税理士に意見を聞いて、しっかりとシミュレーションしてみることをおすすめします。
もちろん、さかもと税理士事務所でも、法人化のご相談は、いつでもお受けしますので、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
不動産投資の法人化について詳しくお話をお聞きになりたいと思われたら
「生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
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