節税とコンテナ投資~節税商品と国税の対応
2020年07月19日節税ブログ その56
●節税とコンテナ投資~節税商品と国税の対応
■コンテナ投資とは
以前から、一部の経営者や投資家が注目する節税対策にコンテナ投資と呼ばれるものがありました。
この場合のコンテナは貨物列車やコンテナ船などに使われる大型のものではなく、いわゆる、レンタル収納スペースといわれるものです。
ビジネスの仕組みとしては、先ず、投資家がコンテナ管理運営会社からコンテナを購入し、同時に購入したコンテナを設置する土地を賃借します。
そして、毎月、土地賃料とコンテナの管理料が差し引かれたコンテナの賃料が投資家の元に入金されます。
しかし、購入したコンテナの取得価額は、たとえば、一番短いもので、3年で償却できますから、最初に1千万円を投資した場合は、初年度で最大667万円の減価償却費を計上することができます。
もちろん、償却が終われば、賃料収入に対して課税が発生しますし、契約期間終了後にはコンテナ管理運営会社がコンテナを買い取りますから、正確には節税ではなく、課税の繰り延べといわなければなりません。
ただ、ある年度だけ大きな利益が計上される場合は、多額の減価償却費を計上することで課税を回避することができます。
■コンテナの耐用年数
さて、このコンテナを利用した節税対策に、最近、国税がストップをかけるようになってきました。
コンテナは税務上、「器具及び備品」の中の「容器及び金庫」に該当し、さらに、種類別に
・大型コンテナ(長さ6m以上のもの) 7年
・その他で金属製のもの 3年
・上記以外 2年
という耐用年数が適用されます。
ところが、コンテナも建築基準法に基づく建築確認の申請をしているものは、「器具及び備品」ではなく「建物」としての耐用年数を適用すべきであるとの指摘が国税側からあり、2019年上期から修正申告を行う事例が発生しているというのです。
「建物」としての倉庫は、「倉庫事業の倉庫用のもの」ということになって、耐用年数は構造等により19年から最長31年が適用されることになります。
当然、これでは初期の“減価償却費効果”はなくなってしまいます。
■あらたな節税商品は危険?
不動産登記法上、建物とは
「屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物」
ということで、今回のことも、やはりこの“定着性”ということが判断基準になっています。
あらたな節税商品もしくは税の繰延商品の“ウリ”が国税側の解釈や対応策によって
当初の効果を否定されてしまうことは、これまでも数々ありました。
“節税効果”を必要以上に恐れる必要はありませんが、だからといって、むやみに飛びついて、あとで税務当局から否認されては元も子もありません。
「今期は予想以上に利益が出そうだ。何か今から使えるうまい節税商品はないだろうか」
そう思われた時こそ、慎重な判断が必要ですね。
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