節税と貸付金~役員貸付金に対する利率は何%?
2019年10月12日節税ブログ その43
●節税と貸付金~役員貸付金に対する利率は何%?
■認定利息とは?
会社が社長にお金を貸付ける場合がありますが、この場合、会社は貸付金に対する受取利息を計上しなければなりません。これを「認定利息」と言います
もし、認定利息を計上しない場合は、会社はその利息相当分だけ社長に対して「現物給与」を与えたとみなされてしまいます。
たとえば、会社が10万円の商品を社長にタダであげたとすると、会社は社長に対して通常の給与の他に10万円の給与を追加で払ったのと同じことになりますね。
それと同じ理屈です。
ただし、この場合、会計上は給与10万円と同時に、売上も10万円もれていたということになるので、会社の利益自体はプラスマイナス0ということになります。
ところが、会社の商品を無償で社長に渡すということは、臨時的な給与、すなわち役員賞与を払ったのと同じ扱いとなりますから、費用そのものが認められないことになってしまいます。
(注)役員に対する賞与は、税務上、費用処理が認められていません。
その一方で、給与に対する源泉所得税は徴収して納付しなければなりません。
役員に対する賞与が費用に認められないのは法人税法上の取り決めであり、支払った給与から源泉所得税を徴収しなければならないのは所得税法の決まりということで、たとえ、役員賞与が会社の費用に認められなくても、給与である以上、源泉所得税はちゃんと徴収して税務署に納めなければならないというわけです。
そこで、認定利息です。
利息を計上するということは、これはあげたんじゃない、貸してるんだよ-ということになりますから、源泉税を徴収する必要はなくなります。
ただし、適正な利率で計算することが求められます。
■利率は何%でなければならないか?
じゃあ、認定利息を計上する場合の利率は、何%でなければいけないのか?
これは
①.会社が銀行から借り入れて貸し付けた場合はその借入金の利率
②.その他の場合で令和元年中に貸付けを行った場合は1.6%
ということになっています。
※ちなみに、利息は実際に徴収しなくても、会社が未収計上すればよいことになっています。
ただし、そうして計算した利息の年額が5千円以下であれば、これをあえて利息に計上しなくても税務上、問題はありません。
■利息が年額5千円以下の場合
年利1.6%で、利息年額が5千円以下だと、貸付金残高は逆算すると312,500円なります。
この場合は、利息を収入に計上しなくてもOKなのです。
利息の計算は正確には
元金×利率×月数/12ヶ月
ですから、たとえば、決算月に社長に会社のお金を貸付けた場合は
貸付金の残高×1.6%×1/12=利息金額
となります。これも利息を年額5千円以下ということで逆算すると、貸付金残高は
3,750,000円
になります。もちろん、銀行から1.6%以下の金利でお金を借りている場合は、その利率で計算すれば良いというわけです。
たかが5千円かも知れませんが、あげる必要のない収入はあげないに越したことはありません。
役員貸付金や認定利息についてもっと詳しくお聞きなりたい場合は
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