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節税と社会保険料~事前届出給与で保険料は安くなる

2022年07月10日

節税ブログ その98

 

●節税と社会保険料~事前届出給与で保険料は安くなる

 

社会保険料の負担を減らしたい!

 

経営者の方であれば

 

毎月の社会保険料、高いなぁ~

 

と思われた経験は少なからずあると思います。ただ、節税の方法にはいろいろあっても、社会保険料を安くする方法というのは、基本的には、給与の額を減らすしかありません。

 

しかし、年間の給与収入をそのままに、社会保険料の額を減らす方法がひとつだけあります。

 

それが、今日お話しする事前届出給与(正確には事前確定届出給与)を使った方法です。

 

事前届出給与とは?

 

法人の役員は、基本的に、賞与をもらっても、これを会社の費用とすることができません。

 

ただし、事前に一定の届出書を管轄の税務署に提出すれば、その届出書に記載した金額を費用に落とすことができます。

 

たとえば、3月決算の会社が、その年の12月25日に社長に対し1千万円を支給する内容の届け出を提出したとします。

 

提出期限は株主総会から1ヶ月以内で、届出書に記載した1千万円を、同じく届出書に記載した12月25日に支払う必要があります。

 

1千万円よりも多くても、逆に少なくても、支払った金額が全額、費用に認められません。

 

ですから、1千万円きっかりを支払った場合にだけ費用処理が認められるというわけです。

 

ただし、1千万円を12回に分けて、毎月約83万円ずつ支払おうと、1回でまとめて支払おうと、年間の給与収入に違いがあるわけではありませんから、所得税や住民税の額は変わりません。

 

では、社会保険料は何故、安くすることができるのでしょうか?

 

給与の支払い方次第で社会保険料はこんなに違う

 

先ほどの例で、給与を事前届出給与ではなく、12等分して月額給与として受け取るとした場合、毎月の支給額は約83万円となります。この場合の社会保険料(40歳以上の場合)は、福岡県の場合で

 

・健康保険料(協会健保) 83万円×11.85%=98,355円/月額

・年金(厚生年金)     65万円(注)×18.30%=118,950円/月額  

(注)給与が65万円以上の場合は限度額65万円となります

 

となり、年間で約261万円の負担となります(これを会社と個人がそれぞれ半分ずつ負担します)

 

では、給与を毎月受け取る代わりに、1千万円を1度に受け取った場合はどうなるでしょか。この場合、社会保険料は

 

・健康保険料(協会健保) 合計約679,005円

・年金(厚生年金)    合計約274,500円 

 

となり、年間合計は約954,000円となりますから、実に160万円以上の節約となるのです!

 

毎月の給与と賞与では社会保険料の計算はこう違う

 

からくりはこうです。

 

事前届出給与は社会保険料の計算上は賞与の扱いとなりますが、賞与について社会保険料を計算する際は上限が

 

・健康保険料(協会健保) 573万円

・年金(厚生年金)    150万円

 

となっているのです。ですから、実際には1千万円の給与をもらっても、社会保険料の計算は

 

・健康保険料(協会健保) 573万円×11.85%=679,005円

・年金(厚生年金)    150万円×18.30%=274,500円

 

ということになってしまいます。

 

この例では、月々の給与はまったく受け取らずに、事前届出給与だけを1千万円受け取る場合を想定しましたが、毎月の給与を5万円(年額60万円)受け取って、事前届出給与は940万円で届け出る様なやり方でも、社会保険料の大きな節約となります。

 

事前届出給与を使った場合の3つのリスク

 

ただし、この方法は一方で大きなリスクをかかえています。

 

1.事前届出給与は届け出た金額通りに支払う必要がある

 

たとえば、届け出た金額が1千万円であるにもかかわらず、実際には900万円しか支払わなかった場合は、その900万円が会社の費用として認められないことになります。

 

その一方で、役員個人は900万円の給与を受け取ったことは間違いありませんから、給与に対する所得税はかかってしまうのです。

 

法人税法上、費用には認められないけれど、所得税法上はちゃんと源泉徴収して下さいね-というわけです。

 

2.将来、もらえる予定の年金の額が減ってしまう。

 

社会保険料のうち健康保険料は掛け捨てですから、少ないにこしたことはありませんが、年金の方は掛金が少なければ、将来、受け取る年金額も少なくなってしまいます。

 

若いうちはあまりピンとこなくても、一定の年齢になれば年金は切実な問題としてふりかかってきます。

 

3.毎月の給与が0又はきわめて少額だと、生活の維持ができなくなってしまう。

 

実際には、これが一番大きなリスクになると思われます。

 

今日、お話した方法は個人的なたくわえが十分あって、届け出た給与を間違いなく払えるだけの会社の利益が確実視される場合でしたら試す価値はあるかも知れませんね。

 

ただし、実行される場合は3つのリスクを十二分に検討することを忘れないで下さい。

 

事前確定届出給与で社会保険料の負担を押さえたい・・・と思われたら

「生涯」税金コンサルタント

さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足

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