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節税と中古物件の改修~リフォーム費用の処理方法

2021年09月24日

節税ブログ その83

●節税と中古物件のリフォーム~リフォーム費用の処理方法

 

築古物件にリフォーム工事をしたとき

 

築古物件を買ってきて、これにリフォーム工事をほどこし、新たな収益物件として貸し出すというやり方は不動産投資においてよく見られるやり方です。

 

今日は、そのリフォーム工事をしたときの、資産計上の仕方や減価償却費の計上についてお話をしたいと思います。

 

先ず、築古物件を買った時は、これを土地と建物に分けます。分け方は契約書に土地・建物が分けて記載してあれば、その金額にしたがいますし、一括で書いてあれば、固定資産税評価額の割合で分けます。

 

さらに、建物は建物本体と付属設備に分けます。この点については私の次のブログに詳しく書いていますので、そちらを参考にしてください。

 

節税と建物付属設備~建物本体と付属設備の分け方①

節税と建物付属設備~建物本体と付属設備の分け方②

 

さて、次はリフォーム工事です。

 

リフォーム工事に対する税務の規定は

 

リフォーム工事代を資産に計上すべきか、あるいは、支出したときの費用に計上すべきか-は工事内容や金額次第ですが、一般には資産計上する場合が多いですね。

 

税務はこのリフォーム工事代について

 

築古の中古資産と「種類」及び「耐用年数」が同じ資産をあらたに取得したものとする

 

と規定しています(法人税法施行令第55条)

 

「種類」というのは建物であれば、建物本体か、付属設備かという分け方になりますから、これは工事内容を見て判断します。

 

次に「耐用年数」ですが、築古の資産を購入したわけですから、中古資産の耐用年数の見積り計算を行います。見積り方法は以下の通りです。

 

①.法定耐用年数の全部を経過している場合

 法定耐用年数×0.2

②.法定耐用年数の一部を経過している場合

 (法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

 

たとえば、RC造のマンションで、築30年の物件の場合は、法定耐用年数(新品の場合の耐用年数)は47年ですから

 

(47年-30年)+30年×0.2=23年

 

ということになります。

 

これが、築50年の建物だと、法定耐用年数の47年はすでに過ぎていますから

 

47年×0.2=9年(端数は切り捨てます)

 

となります。

 

リフォーム工事部分の耐用年数

 

次にリフォーム工事代ですが、築古の中古資産と「種類」及び「耐用年数」が同じ資産をあらたに取得したものとするということですから

 

築古資産の見積り耐用年数が23年であれば、リフォーム工事代の耐用年数も23年、見積り耐用年数が9年であれば、リフォーム工事代の耐用年数も9年ということになるわけです。

 

リフォームした部分はあらたに取得したから、法定耐用年数の47年

 

とはならないということです。

 

ただし、ここで注意すべきことがひとつあります。

 

実質的に新築物件を取得したとみられる場合

 

それは、中古物件を買ってきて、これにリフォーム工事をほどこした場合に、リフォーム工事代が、その中古資産を仮に新品の状態で買った場合の価額(これを「再取得価額」といいます)の50%を超える場合は、中古物件本体、リフォーム工事代、すべて法定耐用年数で償却計算をすることになるということです。

 

つまり、再取得価額の50%を超えるリフォーム代を築古物件かけるということは、もう、新築物件を購入したのと同じだとみなされるというわけですね。

 

この点はよく気をつけて下さい。

 

築古物件とリフォーム代について詳しくお聞きになりたいと思われたら

「生涯」税金コンサルタント

さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足

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