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節税と青色専従者給与~裁決例で問われたこととは?

節税ブログ その75

●節税と青色専従者給与~裁決例で問われたこととは?

 

■所得税法で青色事業専従者給与はこう規定されている

 

個人事業で事業主と生計一の配偶者に対する給与が必要経費と認められるためには、第一義的には、その者が専ら(もっぱら)その事業に従事できること(所得税法第57条)、次に、あらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署に提出していることが必要です。

 

さらに、届け出た給与が経費として認められるためには

1.青色事業専従者の労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度

2.他の使用人の給与の状況及び同種・同規模の事業に従事する者の給与の状況

3.その事業の種類及び規模並びにその収益の状況

に照らして、労務の対価として相当であることが必要であると所得税法施行令の第164条に書いてあります。

 

専従者を奥さんと仮定して、これを要約して言うと

・奥さんが働いた期間や仕事の内容、それと毎日、何時間程度働いたか

・他の従業員にはいくら払っているか、同業者の給料はいくらぐらいか

・その事業の規模や売上高はどのくらいか

といった事を考慮して決める必要がある―ということになっています。

 

さて、今日は、その専従者の給与について平成7年5月30日に出されたある裁決例(裁決事例集№49)を紹介したいと思います。なお、裁決例とは行政機関のひとつである国税不服審判所というところで出された判断のことをいいます。

 

採決で問われた青色専従者の「前提」

 

この裁決で注目すべきは、専従者給与の額自体について多い、少ないが争われたのではなく、そもそも専従者が「青色専従者としての要件を満たしていない」から、支給した給与の額を「必要経費に算入することはできない」と全否定をされた点です。

 

訴えを起こした納税者(以下A氏といいます)は青色申告者で、某市において

≪不動産賃貸業≫

ビルの賃貸 2棟

駐車場賃貸 3か所(車の台数計54台)

宅地賃貸  1ヶ所

≪一般事業≫

理容店

を営んでいました。

 

A氏は奥さんについて

 

1.不動産管理台帳の記載

2.賃貸料の受領及び領収書の発行

3.賃貸料未納者に対する督促及び集金

4.現金領収した賃貸料の預金への預入

5.賃借人との使用契約書の作成

6.無断駐車の有無の見回り

7.駐車場の草取り

8.理容業用タオルの洗濯及び床清掃等

 

の業務に従事しているから、妻は青色事業専従者に該当する旨を主張しました。

 

しかし、審判所はこれに対して

 

イ.駐車場の駐車可能台数

ロ.賃貸料の銀行振込みの数

ハ賃貸料の現金領収の数

ニ.賃借人の交替した数

ホ無断駐車の見回りの回数

ヘ.駐車場の路面の状況

ト.理容店の客数

 

などからみて、A氏が主張するように妻が業務に現に従事し、又は従事していたとしても、その事務量は僅少であると認められ、Aの事業に専ら(もっぱら)従事していたとはいえないから、その妻は青色事業専従者の要件を満たしていない―と判断されたのです。

 

業務に従事していたとしても、事務量が僅少とみなされたら

 

実は、上の1から8にあげる業務については、以下のように裁決の過程でAの妻以外の者が担当していることが明らかにされました。

 

・駐車場以外の不動産貸付業に係る業務はAの長男及び長男の妻が担当していたこと。

 

・賃貸ビル2棟のうち1棟に係る管理業務及び集金業務は同ビルに入居していた某銀行の支店が担当していたこと。

 

・賃貸ビルのうち残る1棟の管理業務もAの次男及びAと管理委託契約を締結したB社が担当し、それとは別に入居の斡旋や広告、契約の業務は別のC社が関与していたこと。

 

また、Aの妻自身の申述によれば、業務に従事した時間は1日当たりの3~4時間で、1ヶ月当りの従事日数も15日程度であったことが明らかになっています。

 

ですから、Aの妻の業務の実態は、「もっぱら」業務に従事していたとは言いがたいと判断されたのです。

 

注目すべきは審判所の最終的な判断における次の一文です。

 

Aの妻が業務に従事していたとしても、その事務量は僅少であると認められ、請求人の事業に専ら従事していたとはいえない。

 

つまり、Aが言う通り妻が様々な業務に従事していたとしても、事務量としてはわずかであり、専ら従事していたとはいえない―と判断されたことです。

 

事務量ついては裁決の過程で、管理対象となっている車の台数や各種書類への記載内容、業務1回当りの必要時間数など具体的な数字をあげて、専ら従事していたとはいえない旨が明らかにされました。

 

気をつけるべきは、専従者の給与についてはそこまで見られることがある―ということです。

 

Aの妻に支払われた給与の概算額は

平成3年 407万円(給与年間255万円・月額21万円、賞与年間152万円)

平成4年 693万円(給与年間436万円・月額36万円、賞与年間257万円)

となっています

 

ちなみに各年の不動産所得の金額(修正前)は

平成3年 4,306万円

平成4年 5,220万円

となっていますから、私としてはそれほど格段に専従者給与が高いという印象は持ちませんし、現に審判でも額の多い、少ないは問題とされていません。

 

実際、税務署側が専従者給与の額が業務の内容等に比べて「高い」という思いを持ったにしても、では、いくらが適正額かということになれば、そう簡単には判断は下せる話ではないはずです。

 

冒頭にも書きました様に、専従者給与の額は、先ずは、専従者が専ら(もっぱら)その事業に従事できるか否かが問われます。

 

■最初に届出書に書かなければならないこと

 

事業者が最初に税務署に提出する「青色事業専従者給与に関する届出書」には専従者の氏名や給与の額の他

・経験年数

・仕事の内容(販売事務、記帳事務、受付事務等)

・従事の程度(具体的には毎月〇時間程度従事などと記載)

・資格

等を書くことになっています。これらはひとえに「専ら(もっぱら)従事」が文字通りのものであるかどうか、そして審判で問われた仕事量が「僅少」であるかどうかを判断する際のひとつの指標となると思われます。

 

奥さんに支払った給料は、事業上の経費になった上に、お金は外に出ていきませんから、非常に使い勝手のよい経費として多くの方が利用しています。しかし、税務の現場では、今日お話しした様なことが実は問われることがあるのです。

 

奥さんの仕事が、払った給料に見合うだけの「量」を伴うものかどうか、そしてその仕事に時間的に「専ら(もっぱら)」従事していると言えるのかどうか―その点は今一度しっかりと考えておくことが必要かも知れませんね。

 

青色専従者給与について詳しくお聞きになりたいと思われたら

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