節税と法人化~法人化のメリット・デメリットは本当か?
2026年03月26日
節税ブログ その146
●節税と法人化~法人化のメリット・デメリットは本当か?
個人事業をやっている方から
「そろそろ法人化したほうがいいでしょうか?」
「法人にすると節税になるって聞いたんですが…」
と、こんな相談をよく受けます。確かに、法人化については本やネットでたくさん情報が出ています。ただ、その中には
「ん?それ本当かな?」
と首をかしげたくなるようなものも、実はかなり多いんですね。
というわけで、今日は、よく言われる法人化のメリット・デメリットの中で、実は誤解されていることについてお話ししたいと思います。
■法人にすると社会的信用が上がる?
個人事業より会社の方が社会的信用力がある
確かに一般論としてはそうかも知れませんが、現実はどうでしょうか。
昨日今日作ったばかりの会社で、社長と従業員数名という会社が、個人事業よりも格段に信用力が高いかと言われると、正直、そこまで大きな差はありません。
特に会社名ではなく屋号が表に出るような商売の場合はその傾向は顕著ですね。
■法人は有限責任だから安全?
これもよく見かける説明で
「個人事業は無限責任」
「法人は有限責任」
だから法人の方が安全ですよと言う説明です。
しかし、この説明には大きな誤解があります。有限責任というのは株主としての責任の話です。
ところが、中小企業の場合株主=社長であることがほとんどです。そして現実には、銀行借入などはほとんどの場合、社長が連帯保証人になっています。
ですから、もし会社が倒産したらどうなるか。銀行は
会社の出資金の範囲で返していただければいいですよ
とは言いません。社長個人に全額返してくださいという請求が来ます。
つまり実際のところ、社長はほぼ無限責任なのです。
■法人は所得分散ができるから節税できる?
これもよく言われますね。法人の場合
配偶者
子ども
親
などに給与を払って所得を分散できるという説明です。確かにこれは可能です。ただし、これも
法人だけの特典ではありません。
個人事業でも
青色専従者給与
という制度があります。届出さえ出せば、配偶者はもちろん、子どもや親などの家族に給与を払うことができます(もちろん、事業にきちんと従事していることが条件ですが、これは法人も同様です)
■法人は決算が難しい?
法人になると決算がすごく大変になる
確かに、会社が一定規模以上の大きさになれば税務も会計も複雑なものになりますが、社長1人、社員数名といった会社の場合、実質的には個人事業とそれほど変わらないというのが実際のところです。
もちろん完全に同じではありません。法人ならではの考え方、処理方法といったものもあります。
ただ、「法人化するとそれだけ大変になる!」と言い切ってしまうほどの違いではないのです。
■法人は複雑な複式簿記が必要?
法人に複式簿記が必要なことはその通りですが、個人事業でも
青色申告(65万円控除)
を受ける場合は同じく複式簿記が必要になります。つまり複式簿記は法人だけのものではないのです。
■決算公告をしないと罰金?
株式会社には決算公告義務があります。
公告方法は
・官報
・新聞
・ホームページ
などです。
これをやらないと法律上は100万円以下の過料 (行政罰)が課されます。
(ちなみに罰金(刑事罰)ではありません)
ただし、実際はどうかというと、中小企業でやっている会社はほとんどありません。もちろん法律上は義務ですから
やらなくてもいいんですよ
とは言えません。ただ現実には、ほとんどの中小企業がやっていないというのが実態です。
■実はあまり語られない法人化の「本当のポイント」
ここまで見ていただくと分かるように、巷で言われる法人化メリットには少し誇張された部分も多いのです。
もちろん、だから法人化なんて意味がないということではありません。法人化の本当の目的、メリットは「節税」を含めて他にしっかりとあります。今日はそこまでお話しすることはできませんが、ただ、
そろそろ、うちも法人化を・・・
と考えられる場合は、ネット等でよく言われる法人化のデメリットには残念ながら少なからず問題があるということだけは覚えておいていただきたいと思います。
法人化のメリットとデメリットについて詳しく聞いてみたい・・・と思われたら
「生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
にお問い合わせください。
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