節税と税務調査~税務調査はここを見られる
2026年07月03日●節税と税務調査~税務調査はここを見られる!
中小企業の社長が知っておきたい「10のチェックポイント」
税務調査というと、「何を聞かれるんだろう」「何かミスを見つけられるんじゃないか」と不安になる経営者の方は多いと思います。
でも実際には、税務調査官も限られた日数で調査を行わなければいけません。調査の日程は通常2日から3日。この間に会社のすべてを見ることは大変です。だからこそ、ポイントを絞り込んで調査は行われます。
つまり、社長も「税務署がどこを見るのか」についてある程度ポイントを押さえておけば、必要以上に不安を感じることもかなり軽減できるのです。
というわけで、今回は中小企業の経営者に特に気を付けていただきたいポイントを10個にまとめました。
① 売上だけ伸びて利益が増えていない
売上が前年比150%、200%と大きく伸びているのに、利益はほとんど増えていない。
このような決算書は要注意です。
税務署は
「原価を水増ししていないか?」
「架空経費を計上していないか?」
「架空人件費はないか?」
という視点で見ます。
もちろん、本当に利益率が下がるケースもあります。
しかし、その理由をきちんと説明できる資料があるかどうかが重要です。
② 売上が減ったのに原価があまり減っていない
例えば、
- 売上は30%減
- 原価は10%しか減っていない
こんな数字になっていると、
「売上を除外しているのでは?」
「棚卸に問題があるのでは?」
という疑いを持たれます。
売上と原価は通常はある程度連動します。
そのバランスが崩れていると、調査官としてはその理由を確認したくなります。
③ 棚卸資産が急に減っている
在庫も税務調査でよく注目される項目です。
期末在庫を少なく計上すれば、その年の利益は減ります。
そのため、
- 在庫だけ急激に減っている
- 原価率が急に高くなっている
という会社は注意が必要です。
決算時には棚卸の内容をもう一度見直しておきましょう。
④ 給与も外注費も一緒に増えている
通常、
社員を増やせば外注は減ります。
逆に外注を増やせば社員は減ります。
ところが、
両方とも大きく増えていると
「どちらかに架空計上があるのでは?」
という見方をされます。
採用や事業拡大など、増えた理由を説明できるようにしておくことが大切です。
⑤ 給与だけ増えて社会保険料が増えていない
これは意外と見落としがちなポイントです。
給与が増えれば、
法定福利費、つまり社会保険料
も通常は増えます。
ところが給与だけが急増していると、
「本当にこの給与支払ったのか?」
という疑問を持たれます。
源泉所得税や社会保険の届出とも照合されますので注意が必要です。
⑥ 広告宣伝費等の経費だけが異常に増えている
広告費が前年の3倍。
でも売上はほとんど増えていない。
このような場合、
税務署は
- 架空経費
- 売上除外
の両面から見ます。
特に1回あたりの支払額が大きな支払いは内容を説明できるようにしておきましょう。
⑦ 現金取引が多い
現金取引は証拠が残りにくく、不正も行われやすいーということで、金額の大きな
- 現金売上
- 現金仕入
- 現金払いの経費
は重点的に見られます。
できるだけ銀行振込など記録が残る方法にしておくことが安心です。
⑧ 決算日前後の取引
税務署は決算日の前後を必ずチェックします。
例えば、
- 売上計上のタイミング
- 経費計上の時期
- 在庫の計上
などです。これらは「期ズレ」といって金額が大きければ大きいほど見つかりやすいのです
決算日をまたぐ取引は、契約書、請求書等の資料をしっかり整理しておきましょう。
⑨ 申告書等の単純ミス
意外ですが、税務調査では
申告書の記載ミスや届出書の提出のもれ
もよく見つかります。
青色申告の申請書の提出もれなどはその代表例ですね。
「うちは大丈夫だろう」などと過信せず、一度見直すことが必要です。
⑩ 消費税は特に届出書に注意
消費税は法人税以上に届出ミスが多い税目です。
例えば、
- 簡易課税の届出
- 2年間の継続要件
- 設備投資時の消費税
- 固定資産売却時の消費税
などは例年よく問題になります。
届出は一度提出すると何年も影響するものがあります。決算時には必ず確認しておきたいところです。
まとめ
税務調査というと、「運が悪いと来るもの」と考えられがちですが、実際には決算書や申告書を分析して、「ここに問題がありそうだ」というポイントを絞ってから調査に来ます。
つまり、普段から決算書を見直し、
- 売上と利益のバランス
- 原価率の変化
- 人件費の推移
- 在庫の増減
- 広告宣伝費、支払手数料などのうち大きな金額の経費
- 決算日前後の取引
- 現金取引
- 申告書や届出書のチェック
といったポイントを確認しておけば、税務調査への備えはかなり強固になります。
税務調査は「来てから慌てるもの」ではありません。日頃から数字の変化に目を向け、その理由を説明できる状態にしておくことが、最も効果的な税務調査対策と言えます。
節税と税務調査について詳しくお聞きになりたいと思われたら
「生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
にお問い合わせください。
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