節税と脱税~節税と脱税は紙一重?
2026年07月09日●節税と脱税~節税と脱税は紙一重?
税理士としては法律で認められている範囲で税金を少なくする方法、つまり「節税」は積極的にご提案しています。
しかし、その一方で絶対にやってはいけないのが「脱税」です。
このふたつ、似ているようで、実はまったく違います。
今日は、その違いについてお話ししたいと思います。
税金を少なくする方法は基本的に二つ
会社の税金を少なくする方法は、極端に言えば次の二つしかありません。
・売上を少なくする
・経費を多くする
法律のルールに従って行えば「節税」
逆に、
・売上を隠す
・架空の経費を作る
となれば、それは脱税です。
たとえば、お客様から現金でもらった売上を帳簿に載せなかったら?
これは誰が見ても故意に税金を免れようとした行為であり、立派な脱税ですね。
「うっかり」と「故意」は大きく違う
とはいえ、現実には判断が難しいケースもあります。
例えば建設業では、工事は決算月に終わっていたのに、入金が翌月だったため、翌期の売上として処理してしまった…。
このようなケースは「ついうっかり」ということもあります。
故意なのか単純なミスなのか?
判断はむずかしい場合がありますね。
もちろん、税金が不足していれば追加で納めなければなりません。
しかし、ペナルティは大きく違ってきます。
一般的なミスであれば「過少申告加算税」
意図的な隠ぺいや仮装と判断されると「重加算税」です
さらに、通常は5年間さかのぼって課税されるところが、悪質な脱税と判断されると7年間まで調査対象になることもあります。
最近のマルサは「大物狙い」
最近のニュースを見ると、「マルサ」の活躍を耳にする機会が増えています。
マルサとは国税局査察部のことで、悪質な脱税事件を刑事事件として摘発する専門部署です。
以前は件数も重視されていましたが、最近は少し傾向が変わっています。
現在は件数よりも1件あたりの脱税額が大きい事件を重点的に摘発する方針になっており、平均脱税額は過去10年間で最高水準ともいわれています。
つまり、「悪質で巧妙な事件」を狙い撃ちにしているということです。
最近実際に摘発された事例
最近では、次のようなケースが摘発されています。
① SNS・インフルエンサー関連
美容系インフルエンサーの広告事業を行う会社が、実際には存在しない業務委託費を計上し、法人税や消費税を免れていたとして摘発された例
② 消費税の不正還付
存在しない設備を購入したように装ったり、架空の仕入れを計上して消費税の還付を受けるようなケースもありました
脱税は割に合いません
マルサに告発された事件では、多くが有罪判決となっています。
悪質な事件では懲役刑が言い渡されることもあります。
もちろん、それだけでは終わりません。
本来納めるべき税金に加えて、多額の延滞税や重加算税なども課されます。
会社の信用は失われ、金融機関との取引や取引先との信用にも大きな影響が及びます。
少し税金を浮かせたかった
そんな軽い気持ちが、会社の将来そのものを危うくしてしまうこともあるのです。
本当に目指すべきなのは「上手な節税」
法律を守りながら、
・役員報酬の見直し
・退職金制度の活用
・設備投資のタイミング
・各種特例や税制優遇制度 等々
こうした制度を上手に利用することで税金は大きく変わり、社長個人や会社に残る現金も大きく変わります
会社を強くする節税
会社を壊す脱税
この違いをぜひ忘れないでいただきたいと思います。
「これは節税になるのだろうか?」
「この処理で大丈夫だろうか?」
そんな疑問がありましたら、実行する前にぜひ税理士へご相談ください。
正しい節税で、会社のお金をしっかり守っていきましょう。
節税と脱税について詳しくお聞きになりたいと思われたら
「生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
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