節税とプライベートカンパニー~それってホントに大丈夫?
2026年04月10日
節税ブログ その148
●節税とプライベートカンパニー~それってホントに大丈夫?
■まず「プライベートカンパニー」の正体をはっきりさせましょう
不動産投資の情報を見ていると、よく出てくる言葉があります。それが
「プライベートカンパニー」
です。これ、いかにも“節税できそうな特別な会社”という雰囲気がありますが、まずここをきちんと整理しておきましょう。
そもそも英語の private company という言葉の意味は
- 民間会社
- 非公開会社(株式が市場で流通していない会社)
これが本来の意味です。
つまり、上場していない普通の会社のことを指しているだけなんですね。
ところがネット上では、
「不動産・株式・債券などの個人資産や副業収入を管理するために作る会社」
といった説明が堂々と書かれていることがあります。
これははっきり言って、かなり誤解を招く表現ですね。
そんな“特別な種類の会社”が法律上あるわけではありません。
■「プライベートカンパニー」という会社は存在しない
ここは非常に大事なポイントです。
日本の会社形態は
- 株式会社
- 合同会社
- 合名会社・合資会社
このいずれかです。
「プライベートカンパニー」という種類の会社は存在しません。
ですから、世の中で言われているプライベートカンパニーというのは結局のところ
規模の小さな会社(オーナー会社)
これにすぎません。
つまり、
- 株式会社でもいい
- 合同会社でもいい
- 特別な制度があるわけでもない
という、ごく普通の話なのです。
■「不動産投資に向いている会社」というのは本当か?
これもよく見かける話です。
プライベートカンパニーは不動産投資に最適!
そう言われると、ついその気になってしまうかも知れませんね。
でも、冷静に考えてください。
会社の中身は普通の株式会社や合同会社なのです。
何か特別に有利な仕組みがあるわけではありません。
不動産投資に向いているかどうかは
- 資金力
- 収益性
- 借入れ条件
その他諸々で決まるのであって、
会社の「名称」で決まるわけではないんですね。
■「プライベートカンパニー=節税になる」という誤解
ここが一番危ないところです。
よくあるのが
プライベートカンパニーを作れば税金が安くなる
という話。
結論から言うと、
そんなうまい話は残念ながらありません。
■法人化で節税になるケース・ならないケース
確かに、所得税と法人税には税率構造の違いがあるため
年間所得が800万円を超えると法人の方が有利
ということは言えますが、これは逆に言うと、
それ以下なら個人の方が有利
ということなのです。
■「所得分散できるから有利」という話の落とし穴
これもよく言われますね。
家族に給料を払えば節税できる
確かに理屈としては正しいです。
ただし、
- その家族が実際に働いている必要があり
- なおかつ、高額な給与は否認される可能性がある
のであって、これは法人でも個人でも同じです。
個人事業でも「青色事業専従者給与」の届出を出せば同じことができます。
法人だけの特権ではありません。
■サラリーマン大家が見落としがちなポイント
さらに重要なのがここです。
法人にして役員報酬を受け取る場合、
本来のサラリーマンとしての給与と合算されて課税される
つまり、
- 法人だけ見て「税金が減った」と思っても
- 個人で税金が増加してしまった
ということが起こってしまうということです。税金は
トータルで見ないと意味がない
ということなのです。
■「不動産投資の節税」の正体
これもよく誤解されています。
いわゆる、「不動産投資で節税」は
不動産所得の赤字と給与所得を相殺すること
ですが、これは
- 初年度は(減価償却+初期費用)で赤字が出やすい
- 継続的に赤字=経営がうまくいっていない
ということなのです。
ずっと赤字で喜んでいる場合ではありません。
■結論:プライベートカンパニーとは何か?
ここまでまとめると、プライベートカンパニーとは
ただの規模の小さな会社
それ以上でも、それ以下でもありません。
- 特別な税制があるわけでもない
- 自動的に節税になるわけでもない
- 不動産投資に特別有利でもない
■むしろ本当に考えるべきこと
法人にするかどうかは
- 役員報酬の設定
- 借入とキャッシュフロー
- 税金と社会保険のバランス
といった設計の問題なのです
これを間違えると
- 節税どころか資金繰り悪化
- 最悪の場合は破綻
ということも普通に起こります。
■最後にひとこと
ネットには
「作れば得する会社」
の様な書き方があふれていますが、
当然、そんな都合のいい仕組みはありません。
会社はあくまで「器」です。
中身(運用)を間違えれば、普通に失敗してしまいます。くれぐれもご注意を。
プライベートカンパニーについて詳しく聞いてみたい・・・と思われたら
「生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
にお問い合わせください。
〒819-0002 福岡市早良西区姪の浜4-22-50クレインタートル弐番館801
――――― お問合せ先は ―――――
TEL092-892-3888/FAX092-892-3889
| 前のブログ記事へ | 次のブログ記事へ |














