節税と不動産投資の赤字~いまだに騙される人がいる
2026年04月21日
節税ブログ その147
●節税と不動産投資の赤字~いまだに騙されている人がいる
今日は、これから不動産投資を始めようかな、と考えているサラリーマンの方に、ぜひ一度立ち止まって考えていただきたいお話です。
特に、
「節税になりますよ」
「年収の高い方ほどメリットがあります」
こういった営業トークで、新築ワンルームマンションを勧められている方は要注意です。
結論から言うと
節税だけを目的に不動産投資をすると、高確率で失敗します。
■「節税できます」のカラクリ
まずは基本の話から。
不動産投資で言う「節税」とは、
不動産所得の赤字と給与所得を相殺する(損益通算)
これだけです。
たとえば、
- 給与所得:500万円
- 不動産赤字:▲50万円
→ 課税所得:450万円に圧縮
これで税金は確かに安くなります。
これこだけ聞くと魅力的に見えるかも知れませんね。
でも、冷静に考えてください、これ
赤字が出ているから税金が安くなっているだけ
です。
■なぜ赤字になるのか?
ここが営業トークの核心です。
赤字の正体は主にこれです。
- 減価償却費(お金が出ていかない費用)
- 初年度の諸費用(仲介手数料・税金など)
たとえば3,000万円の新築物件なら、
- 家賃収入:150万円
- 初期費用:約150万円
- 減価償却:約66万円
初年度は▲66万円の赤字
これで「節税できました!」と言われるわけです。
■でも2年目からどうなるか?
ここが一番重要です。
初期費用は一度きりです。
2年目からは
- 家賃収入:150万円
- 減価償却:66万円
と黒字化してしまいます
つまり、
節税できるのはほぼ初年度だけ
というわけです。
■さらに見落とされがちなポイント
営業ではあまり強調されないかも知れませんが、重要なのはここです。
借入金の返済は費用にならない
- 利息 → 経費になる
- 元金 → 経費にならない
つまり、
お金は出ていくのに、経費にならない
のです。
例えば20年ローンなら、毎年かなりの元金返済が発生します。
■結局、どうなるか?
まとめるとこうです。
- 節税できる → 主に初年度だけ
- 2年目以降 → 黒字化して節税効果がなくなる
- キャッシュ → ローン返済で圧迫
つまりは手元にお金が残らない構造
になります。
■実際にあった「悲惨なケース」
ここからは現実の話です。
ケース①:空室+値下げで持ち出し地獄
国民生活センターにも相談が多数寄せられています。
「家賃保証があると聞いて購入したが、途中で減額され、空室も出て赤字が拡大」
よくある流れです。
- 「サブリースで安心」と言われる
- 数年後、賃料減額
- 空室発生
- 持ち出し増加
最初の想定利回りはほぼ崩れます
ケース②:売ろうとしても売れない
中古市場では、
- 新築価格 → もともと価格は上乗せされている
- 築年数が経つ → 一気に価格下落
という特徴があります。
結果、
ローン残高 > 売却価格
いわゆる「オーバーローン」状態になってしまいます。
ケース③:節税どころか資産が減る
高年収の会社員ほどハマりやすいのがこれです。
- 税金は年間数十万円安くなる
- でも実際の持ち出しはそれ以上
差し引きで資産は減り続ける
■なぜ高収入サラリーマンが狙われるのか?
理由はシンプルです。
- 融資が通りやすい
- もともとの税率が高い → 節税話が刺さる
営業としては「理想的な顧客」です。
■結論
というわけで
節税を主目的にした不動産投資はやるべきではないのです。
本来、投資とは
- 収益性
- キャッシュフロー
- リスク
で判断するものです。
そこに「節税」というオマケがつくならいいですけど
でも、
節税を目的にすると、ほぼほぼ失敗する
というわけです。
■最後にひとこと
「節税になりますよ」
この一言につい惹かれてしまうんですね。でも、冷静に考えてください。
税金が安くなるから儲かる、ではありません
むしろ、
お金が減っているから税金が安くなっているだけ
です。
不動産投資の赤字について詳しく聞いてみたい・・・と思われたら
「生涯」税金コンサルタント
さかもと税理士事務所 税理士・坂本千足
にお問い合わせください。
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